DDPは「Disc Description Protocol」の略称で、米国DCA社が開発したCD用マスターデータのフォーマットしなります。
日本レコード協会のホームページには「CD用マスタDDPファイル互換性ガイドライン」というものがありますが、これを読んでもよく解らないというのが率直な感想かと思います。
簡単に説明してしまえば、「データファイル形式の、CDプレス用マスターの納品フォーマット」という一言で済んでしまいますが、記録媒体に依存しないファイル形式です。
日本ではDVD-Rなどに書き込んで納品という形が一般的ですが、データ形式ですのでネット経由での入稿もでき、近年のCDプレス用マスターの主流になっています。
DDPマスターに関して
メディア CD制作DDPマスターの中身
DDPデータは、Wavとか、AIFF、MP3などのそういったファイルとは違い、複数のファイルからなるファイルのセットで、各ファイルに音楽CDを構成する情報が別々に記述されています。
そのファイルの数は、作成するソフトやCDの内容によって若干異なるのですが、最低でも1〜4番のファイルが含まれます。
- 音楽イメージ(.DAT)
- 識別子(DDPID)
- ストリーム記述子(DDPMS)
- サブコード記述子 (PQDESCR)
- CHECKSUM
- TEXT.BIN
5のファイルは正しくデータが送信できたかを確認するためのファイルになり、6はマスタリングでCD-TEXTを書き込んだ際に生成されます
CD-TEXTがないマスターデータの場合はございません。
DDPマスターの利点
では、DDPでのマスター入稿のメリットはなんでしょうか?
先に少し書かさせていただきましたが、DDPはデータファイルなので記録媒体に依存しないファイル形式です。 ご自分で音楽CDをPCで焼いた時などに経験された事もあるかと思いますが、メディアの品質や焼き込み速度なのによって再生の時の読み込み精度に差が生じます。
DDPファイルからのプレスはデータファイルのやりとりなのでデータロスが無く、音質変化の原因であるジッターが理論ないと言われています。
DDPマスター作製時の注意点
最近は、安価なDDPを作成出来るマスタリングソフトも多く、マスタリング予算が取れない場合等、アーティストさん自ら、プレスマスターを作れるようになりました。
しかし、DDPのマスターは元々エンジニア向けの仕様ですのでトラブルもあります。
例えば、テキスト情報を入れたためにトラブルが発生したりすることもあります、日本語を入れてしますとCD TEXTは、多くのソフトウェアで日本語に対応していないので、ソフトウェアだけ見ていると日本語がそのまま入っているように見えるのですが、実際には文字化けしてしまったりしていて、それに気づかず、入稿してしまうというようなこともあるようです。
また、DVD-Rに焼き込んで入稿する際、焼き込みをMacのフォーマットで行いエラーが出る事もございます。Macで焼き込む際はWindowsでも読み込めるフォーマットで焼き込んでください。