紙のサイズは一般の方にとっては、聞いたことはあるけどどんなサイズか想像しにくいものです。いつも使っている用紙のサイズでも、一体どんな経緯でそんな名前がついたのか印刷関係の人間でも深く考えた事も少ないかもしれません。今回は用紙に関する雑学について説明してまいります。
用紙に関しての雑学①
メディア 印刷 その他「A判」と「B判」
A4やB5などのコピー紙等で一般的な「A判」と「B判」ですがA判は国際標準のサイズでドイツの工業規格「DIN 476」を基にされいます。
B判は日本独自の規格で、江戸時代に公文書に使用された、美濃紙のサイズに由来しています。
最近はA判が使用される事も多くなっておりますが、官公署なのどの公文書のサイズがB判が採用されている事が多いです。
A列の中で最も大きいサイズを「A0(841mm×1,189mm)」とし、それを長辺で半分にしたサイズを「A1(594mm×841mm)」、さらにそれを半分にしたサイズを「A2(420mm×594mm)」というように、数字が1つ大きくなるにつれて紙のサイズは半分になります。
B列の中で最も大きいサイズを「B0(1,030mm×1,456mm)」、それを長辺で半分にしたサイズを「B1(728mm×1,030mm)」、さらにそれを半分にしたサイズを「B2(515mm×728mm)」としています。
また、どちらの規格でも短辺と長辺の比率がどちらも「1:√2」の比率のなっております。
「菊判」について
原紙のサイズは636mm×939mmになります
菊判は当初、新聞用紙に使用する目的で、日本がアメリカから輸入した用紙のサイズ(25×36inch)が基準になっております。当初は新聞用紙のみに使用するつもりでしたが、後に他の出版物の印刷にも使用される様になりました。
名前の由来は新聞の「聞」の字が「キク」と読めることから「キク→菊」になったと言われています。
サイズはA判、B判の様に数字で表記するのではなく半裁、菊4つ切りという名前になります。
「四六判」について
原紙のサイズは788mm×1091mmになります
四六判は、明治時代にイギリスから輸入されたイギリスの紙の規格である「クラウン判」が元になっており、
イギリスの紙の規格寸法であるクラウン判(787×1092mm)は、日本で江戸時代から親しまれている美濃判の約8倍の大きさにあたるため、大八ツ判として販売されました。
出版物によく使用される「4寸×6寸」サイズが取りやすかったため四六判と呼ばれるようになりました。
サイズの表記は菊判と同じく半裁、菊4つ切りという名前になります。
その他サイズに関して
その他用紙のサイズ規格とましては、ドイツ語の「patronen papier:パトローネン パピアー(弾丸の薬莢を包む紙)」が語源とされるハトロン判。
写真などで使用されるL判などがございます。