最近のフリーのライティングソフトであっても高性能化し、CDからBlu-rayまで対応していてこれ一本で全部OKというものもあります。
自由度が高いゆえに問題点も発生します。というのも書き込み時にディスクのファイルフォーマットが自由に選べるものの、「(どのディスクで)ファイルフォーマットを選ぶのが適切なのか」というのが任意になっていて、ディスクごとに自動で適切なフォーマットに変えてくれないものもあります。
ここでは、ディスクのフォーマットに関して簡単に説明してまいります。
DVDフォーマットとは?必要性や方法を解説
メディア CD制作 DVD制作 Blu-ray制作DVDフォーマットとは?
DVDフォーマットとは、一言でいえば「DVDディスクを使えるようにするための初期化作業」のことです。
買ってきたばかりの空のDVDディスクは、いわば何も書かれていない、何のルールもない更地のような状態です。このままでは、パソコンはどこに、どのようにデータを記録すれば良いのか分かりません。
そこで、フォーマットという作業を行うことで、ディスクの中に「ファイルシステム」と呼ばれる、いわば「住所録」や「区画整理」のようなルールを作り、データを記録したり、読み出したりするための準備を整えるのです。この工程を「論理フォーマット」とも呼びます。
DVDフォーマットはなぜ必要?
では、なぜDVDディスクを利用する際に、フォーマットという一手間が必要になるのでしょうか。
その目的は、主に以下の2つに集約されます。
【主に2つに集約】
- PCがディスクを認識し、データを読み書きできるようにするため
- ディスク内のデータを完全に消去するため
DVDをフォーマットすることで、まずパソコンがそのディスクを正しく認識し、データの書き込みや読み出しが可能になります。
特に書き換え可能なDVD-RWやDVD+RWでは、前回の使用時に残った情報や設定があると、新たなデータの保存に支障をきたすことがあります。
フォーマットはそのような不具合を防ぎ、安定した動作を確保する役割を果たします。また、保存されているデータを完全に消去したい場合にもフォーマットは有効です。
データを手動で削除するだけでは一部が残ることがありますが、フォーマットを行えば初期化され、再利用時のトラブルも防ぐことができます。
ディスクのファイルフォーマット
UDF 1.02 と UDF 1.02 + ISO 9660
DVDメディアで一般的に使われるファイルフォーマットでWindows98の頃から使われており、現行のPCでは概ね読み込む事ができるフォーマットになります。
UDFブリッジと呼ばれるUDF1.02+ISO 9660は、UDFに対応していないOSでも読み込めるように、CD-ROMのファイルフォーマットであるISO9660との二重構造にして互換性を高めたもので、UDF 1.02が読み込めない場合はISO 9660で読み込む。ライティングソフトでもこれがデフォルトになっていることが多い。
DVD-Video形式はこのフォーマットが採用されています
UDF 1.5
基本的にDVD-RAMで使われるファイルフォーマットでDVD-RAMをビデオ用途以外で使うなら、とりあえずこれでフォーマットで問題ないのではないでしょうか。
その他のパケットライトでも使われることがありますが一般的ではないかもしれません。
UDF 2.0(2.01)
DVD-VR規格に使われているファイルフォーマット。主に家庭用のレコーダーでの記録時に使われる形式。PCでDVD-VR形式のディスクを作成・編集しない人はあまり使用する事はないかと思われます。
UDF2.01はDVD-Audioのコンテンツを記録型DVDに記録するための規格で、音声の他JPEG静止画とテキストもサポートしているがあまり普及はしていないようです。
UDF 2.5
BD-ROMとBD-REで使われるフォーマットで、AVCRECと呼ばれるDVDにハイビジョン映像を記録する規格にも使われている。Blu-rayディスクは基本的にこのバージョン以降のUDFで記録されているため、最低でもこの2.5に対応していないと読み込むことができない。
UDF 2.6
BD-Rで採用されているファイルフォーマット。内容的にはライトワンスのBD-Rで、擬似的な書き換え機能にサポートしている。
Windows10・11でDVDをフォーマットする方法
Windows10・11でDVDをフォーマットするには、まずパソコンに空のDVDまたは再利用可能なDVD-RWやDVD+RWを挿入します。自動的に画面に「ディスクの準備」または「ディスクのフォーマット」などのメッセージが表示される場合は、それに従って操作を進めます。
表示されない場合は、エクスプローラーを開いてDVDドライブを右クリックし、「フォーマット」を選択します。
フォーマット形式としては、「USBフラッシュドライブと同じように使用する(ライブファイルシステム)」か「CD/DVDプレーヤーで使用する(マスタ形式)」のどちらかを選ぶ必要があります。
前者はファイルを後から追加・削除できる形式で、後者は一度書き込むと内容の編集ができなくなる代わりに互換性が高いのが特徴です。用途に応じて適切な形式を選んだら、「次へ」をクリックしてフォーマットを開始します。
フォーマットが完了すると、DVDはデータの書き込みに対応した状態になります。これで、ドラッグ&ドロップや書き込みソフトを使ってデータを保存することができるようになります。
DVDフォーマットができない場合の対処法
正しいディスクを使用していてもフォーマットが進まない場合は、パソコン側のドライブが書き込みに対応しているかを確認します。 「DVD-ROMドライブ」のように読み込み専用のドライブでは、フォーマットや書き込みができません。製品の仕様やデバイスマネージャーでドライブの種類を確認し、書き込み可能な「DVD-RWドライブ」であるかを確認しましょう。 ドライブに問題がない場合は、Windowsのシステム上の不具合が原因のこともあります。 エクスプローラーを再起動し、パソコン自体を再起動することで改善することがあります。それでも解決しない場合は、ディスクドライブのドライバーを更新するか、別のDVD作成ソフトを利用してフォーマットを試してみるのも有効です。
また、ディスク自体に傷や汚れがあると、正常に読み込めずフォーマットができないことがあります。別のディスクで同様の症状が出ないか試してみることで、ディスクの物理的な問題かどうかを切り分けることができます。こうした確認と対処を一つずつ行うことで、DVDフォーマットの問題を解決できる可能性があります。
ファイルフォーマットを選択する際の注意点
PCのみで利用する際は読み込みに問題がない場合もりますが、家庭用のDVDレコーダーやBDプレイヤーなどで再生を視野に入れるならファイルフォーマットの組み合わせには注意が必要です。
「PCでは再生するがプレイヤーでは再生しない」という事態が発生しない様注意してください。
DVDをフォーマットする意味を理解し活用しよう
特に、「ライブファイルシステム形式」と「マスタ形式」の違いを理解し、自分の目的に合ったフォーマットを選択することが、作成したDVDを意図通りに活用するための鍵となります。
この記事が、あなたのDVD作成に関する不安を解消するための一助となれば幸いです。