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CDブックレットの作り方は?必要なフローや注意点も解説

メディア CD制作

CDケースの顔となる「ブックレット(ジャケット)」は、作品の第一印象を決定づける非常に重要な要素です。ファンは、CDを手に取り、ブックレットを一枚一枚めくりながら、歌詞を追い、写真やアートワークを眺め、あなたの音楽の世界に深く没入していきます。

「でも、ブックレットってどうやって作ればいいのだろう?」 「サイズやページ数、紙の種類はどう決めればいいの?」 「印刷会社に頼むのと、自分で印刷するのとでは何が違う?」

初めて自主制作CDを作る方にとって、ブックレット作りは分からないことだらけかもしれません。

この記事では、そんなクリエイターの皆様の疑問にお答えするため、CDブックレット制作の基本的な流れから、仕様の決め方、そしてプロ品質で仕上げるための注意点まで、専門的な視点から一つひとつ丁寧に解説していきます。


CDブックレットの種類

CDブックレットは、その形状によって大きく「折り加工タイプ」と「冊子タイプ」の2種類に分けられます。それぞれ特徴が異なるため、掲載したい情報量や表現したい雰囲気に合わせて選びましょう。 

折り加工タイプ

1枚の紙を折って仕上げる、比較的シンプルなタイプのブックレットです。少ないページ数でも、折り方を工夫することで多彩な表現が可能です。

【折り加工タイプ】

  •   2P(ペラ): 最もシンプルな、折りのない1枚のカード状のものです。表面をジャケット、裏面を歌詞カードとして使用します。
  •   4P(二つ折り): 1枚の紙を中央で一度折る、最も一般的なタイプです。見開きで大きな写真やイラストを見せることができます。
  •   6P(三つ折り・巻三つ折り): 1枚の紙を3分割して折るタイプ。Z字状に折る「外三つ折り」と、内側に折り込む「巻三つ折り」があります。情報を整理しやすく、開く楽しみも演出できます。
  •   8P(観音折り): 左右から中央に向かって折り込み、さらに中央で二つ折りにする、扉が開くような形状です。特別なサプライズ感を演出したい場合に効果的です。

折り加工タイプは、ページ数が少ない場合に適しており、コストを抑えやすいのが特徴です。


冊子タイプ

複数の紙を重ねて、中央を針金(ホッチキス)で留めて冊子状にしたタイプです。ページ数が8ページ以上になる場合や、多くの写真や情報を掲載したい場合に適しています。

しっかりとした冊子になるため、読み応えがあり、写真集のような豪華な仕様にすることも可能です。歌詞だけでなく、メンバーのプロフィールやインタビュー、ライナーノーツ、スペシャルサンクスなど、豊富なコンテンツを盛り込むことで、ファンの満足度をより高めることができます。


CDブックレットの作り方

ブックレットを具体的に形にしていくには、いくつかの仕様を決めていく必要があります。以下の4つのステップに沿って、あなたの作品に最適なブックレットを設計していきましょう。

サイズを考える

まず基本となるのが、ブックレットのサイズです。

最も一般的なCDのプラスチックケース(ジュエルケース)に収納する場合、仕上がりのサイズは「縦120mm × 横120mm」が標準となります。

この正方形のスペースに、デザインや文字をレイアウトしていくことになります。

印刷用のデータを作成する際は、この仕上がりサイズに加えて、裁断時のズレを防ぐための「塗り足し(ぬりたし)」と呼ばれる余白部分(通常、上下左右に各3mm)を設ける必要があります。


ページ数を考える

次に、どのくらいの情報を盛り込みたいかに合わせて、ページ数を決定します。

ジャケットの表紙や収録曲の歌詞、写真やイラストなどの載せたい要素をリストアップし、それぞれにどのくらいのページ数が必要かを考えます。

ページ数が多くなるほど豪華になりますが、その分デザインや制作のコストも上がります。予算と、伝えたい情報量のバランスを考えて決定しましょう。


製本方法を考える

ページ数が8ページ以上の冊子タイプにする場合は、製本方法を選ぶ必要があります。CDブックレットで最も一般的に用いられる製本方法が「中綴じ(なかとじ)」です。

中綴じとは、重ねた紙の中央部分(見開きの中心)を、針金(ホッチキス)で2ヶ所留める製本方法です。

CDブックレットの冊子タイプは、ほとんどがこの中綴じ製本で作られていると考えて良いでしょう。 



紙の種類を考える

紙の種類は、ブックレット全体の質感や、写真・文字の見え方を大きく左右する重要な要素です。

代表的な2つの紙をご紹介します。

【代表的な2つの紙】

  •     コート紙:

    紙の表面がコーティングされており、ツヤツヤとした光沢があるのが特徴です。インクの発色が良く、写真やイラストを鮮やかに再現できます。商業印刷で最も広く使われている、スタンダードな用紙です。華やかで、くっきりとした印象にしたい場合におすすめです。

  •     マットコート紙:

    コート紙と同様に表面がコーティングされていますが、光沢を抑えた、しっとりとした質感が特徴です。光の反射が少ないため、文字が読みやすく、目に優しい仕上がりになります。写真も落ち着いた雰囲気に再現され、高級感やアートな雰囲気を演出したい場合に適しています。


CDブックレットを印刷するには?

デザインデータが完成したら、次はいよいよ「印刷」の工程です。印刷方法は、大きく分けて2つあります。

印刷会社に依頼する

プロ品質のブックレットを求めるのであれば、印刷会社に依頼するのが最も確実で、おすすめの方法です。

 

コストはかかりますが、高品質な仕上がりが期待でき、自ら印刷を行う場合と比べ大幅な手間の削減となります。


自分で印刷する

ごく少部数(数枚~数十枚)で、コストを極限まで抑えたい場合は、自宅のプリンターで印刷するという選択肢もあります。

しかし、手作り感を出したいという特別な意図がない限り、ファンに届ける製品としては、印刷会社に依頼するのが賢明な選択といえるでしょう。


CDブックレットの作成時の注意点

最後に、ブックレットのデザインデータを作成する際に、特に注意すべき専門的なポイントをいくつかご紹介します。

【注意すべき専門的なポイント】

  •     塗り足し(ぬりたし)を設ける:<br>

    仕上がりサイズ(120mm x 120mm)の端まで色や写真を配置する場合、裁断時のわずかなズレで紙の白地が見えてしまわないよう、仕上がりサイズの外側まで、上下左右に各3mmずつ余分にデザインをはみ出させておく必要があります。このはみ出した部分を「塗り足し」と呼びます。

  •     文字や重要な要素はセーフティゾーンの内側に:<br>

    逆に、切れてしまっては困る文字やロゴ、重要な写真などは、仕上がりサイズの内側3mmの範囲(セーフティゾーン)に収めるようにレイアウトします。

  •     カラーモードは「CMYK」で作成する:<br>

    パソコンのモニターは「RGB」(光の三原色)で色を表現しますが、印刷物は「CMYK」(インキの四原色)で色を表現します。RGBのままデータを作成して入稿すると、印刷時に色がくすんだり、意図しない色に変わってしまったりします。必ず最初からCMYKモードでデータを作成しましょう。

  •     画像の解像度を確認する:<br>

    印刷に使用する画像の解像度は、350dpiが推奨されます。Webサイトで使われているような低解像度(72dpiなど)の画像を使用すると、印刷時に画像が粗く、ぼやけた印象になってしまいます。


心を込めたCDブックレットを作って音楽を届けよう

今回は、CDブックレットの作り方について、その種類から仕様の決め方、印刷方法、注意点までを網羅的に解説しました。

ブックレット作りは、単なる歌詞カード作りではありません。 サイズ、ページ数、紙の質感、そしてデザイン。一つひとつの選択が、音楽の世界観を形作り、ファンへと届ける大切なメッセージとなります。

それは、楽曲制作と同じくらい、クリエイティブでやりがいのある作業です。

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