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レーベルとは?インディーズとメジャーの違いも解説!

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音楽活動に情熱を注ぐアーティストやバンドにとって、「レーベルとの契約」や「メジャーデビュー」は、大きな夢であり、具体的な目標の一つではないでしょうか。

しかし、いざ音楽業界の仕組みについて考えてみると、「レコード会社とレーベルって何が違うの?」「インディーズとメジャーでは、活動にどんな差が出るんだろう?」「そもそも、自分たちのCDはどうすればお店に並べられるの?」といった、様々な疑問が湧いてくるかと思います。

自分たちの音楽を、どのような形で世に送り出していくのか。その活動方針を決める上で、音楽業界の構造を正しく理解しておくことは、非常に重要です。

この記事では、そんなアーティストやクリエイターの皆様が抱える疑問にお答えするため、「レーベル」という言葉の基本的な意味から、レコード会社との関係、そしてインディーズとメジャーの違い、CDの流通の仕組みまで、音楽ビジネスの全体像を専門的な視点から分かりやすく、そして徹底的に解説していきます。


レーベルとは?

レーベル(Label)とは、元々レコード盤の中央に貼られていた、曲名やアーティスト名が印刷された「ラベル紙」のことを指します。かつて、リスナーはこのラベルを見て、どのレコード会社のどのブランドのレコードなのかを識別していました。

このことから転じて、現在では「音楽を制作し、そのブランドやジャンルを管理する部門やブランド名」そのものを指す言葉として使われています。

つまり、レーベルはアーティストを発掘・育成し、楽曲の企画・制作(レコーディングやマスタリングなど)を行い、そして完成した作品を宣伝・プロモーションする役割を担っています。アーティストの音楽性や方向性を決定づける、いわば「ブランド」や「制作チーム」のような存在と考えると分かりやすいでしょう。


レコード会社との違い

では、「レコード会社」とは何が違うのでしょうか。この二つの関係は、しばしば大企業とその中の事業部やブランドの関係に例えられます。

レコード会社は、音楽事業を行う「企業」そのものです。CDの製造(プレス)や、全国のCDショップへの流通、宣伝活動、そして事業全体の資金管理など、音楽ビジネスの根幹を担う「親会社」のような存在です。

一方でレーベルは、レコード会社という大きな組織の中に存在する、「部門」や「ブランド」です。レコード会社は、より多様な音楽性に対応するために、社内にロック専門のレーベル、アイドル専門のレーベル、アニメソング専門のレーベル…といった形で、特色の異なる複数のレーベルを抱えています。


複数のレーベルがある理由

なぜ一つのレコード会社の中に、わざわざ複数のレーベルを作る必要があるのでしょうか。それには、主に2つの理由があります。

1つ目は音楽性の専門化とブランドイメージの確立です。音楽のジャンルは、ロック、ポップス、ヒップホップ、ジャズ、クラシックなど、非常に多岐にわたります。一つの会社が全てのジャンルを同じように扱うのは非効率であり、専門性も高まりません。そこで、各ジャンルに特化した専門チーム、つまりレーベルを作ることで、そのジャンルのファン層に響く、より質の高い音楽制作と的確なプロモーションが可能になります。

2つ目は多様なアーティストへの対応です。アーティスト一人ひとり、一組一組に、独自の音楽性や活動方針があります。レコード会社は、そうした多様な才能を受け入れるための「受け皿」として、様々なカラーを持つレーベルを用意しています。


レーベルと契約を結ぶ際の注意点

レーベルから声がかかり、契約を結ぶことは、多くのアーティストにとって大きなチャンスです。しかし、契約書にサインをする前に、その内容を正しく理解しておくことが、後のトラブルを防ぐために極めて重要です。

ここでは、契約における主要なポイントを表にまとめました。


 

項目 主な内容と注意点
契約形態 専属実演家契約が一般的。契約期間中、そのレーベル以外での音楽活動(CDリリースなど)が制限される場合があります。どこまでが制限の範囲内なのか(ライブ活動、SNSでの音源公開など)を、詳細に確認する必要があります。
報酬の仕組み CD売上などに対するアーティストへの報酬(印税)の割合(パーセンテージ)が定められています。一般的に、関わる人が多いメジャーレーベルほど印税率は低くなる傾向があります。売上から制作費などを差し引いた後の利益に対して支払われるのか、総売上に対してなのかなど、計算の基準も重要です。
契約期間 契約が有効である期間です。「契約から〇年間」といった形が一般的ですが、「CDを〇枚リリースするまで」といった条件が付く場合もあります。契約の更新条件や、中途解約する場合のペナルティについても、必ず確認が必要です。
権利の帰属 原盤権(マスター音源に関する権利)と著作権(楽曲そのものの権利)が、誰に帰属するのかを明確にする必要があります。多くの場合、制作費を負担したレーベル(レコード会社)が原盤権を持つことになります。これにより、アーティストがレーベルを離れた後、過去の音源を自由に使えなくなる可能性があるため、非常に重要な項目です。

インディーズとメジャーの違いは?

この2つの最も大きな違いは、「日本レコード協会に加盟しているレコード会社からCDをリリースしているかどうか」です。

【2つの最も大きな違い】

  •     メジャー: 日本レコード協会に加盟している大手レコード会社(またはその傘下のレーベル)から作品をリリースすること。

  •     インディーズ: 上記に当てはまらない、独立した(Independent)レーベルや、アーティスト自身が設立したレーベルから作品をリリースするこ

 


メディア露出

メジャーレーベルは、テレビ局やラジオ局、雑誌社といった大手メディアとの間に強力なコネクションを持っています

そのため、テレビの音楽番組への出演や、ドラマ・CMとのタイアップ、全国規模のラジオでのパワープレイなど、大規模なプロモーションを展開することが可能です。

これにより、短期間で圧倒的な知名度を獲得できるチャンスがあります。

一方、インディーズは、こうしたマスメディアへの露出機会は限られます。ライブハウスでの活動や、SNS、YouTube、音楽配信プラットフォームなどを活用した、地道で戦略的なセルフプロモーションが中心となります。


売上の配分

メジャーでは、CDの制作から宣伝、流通に至るまで、非常に多くのスタッフや企業が関わります

そのため、CD1枚の売上から、それらの経費や人件費が差し引かれ、最終的にアーティストに支払われる印税の割合は、一般的に1%~数%程度と低くなる傾向があります。

一方、インディーズでは、制作やプロモーションを自分たちで行うため、関わる人が少なく、経費を抑えることができます

そのため、CDが売れた際のアーティストへの利益の配分率は、メジャーに比べて格段に高くなります。


インディーズのメリット・デメリット

インディーズには、インディーズならではの大きな魅力と、乗り越えるべき課題があります。

【メリット】

  •   音楽の自由度が高い: レコード会社の意向に縛られることなく、自分たちが本当に作りたい音楽を、好きなように追求できます。実験的な楽曲や、特定のファン層に向けたニッチな作品も自由に制作可能です。
  •   活動の自由度が高い: ライブのペースや、リリース時期、グッズ制作など、全ての活動を自分たちの裁量で決定できます。フットワークの軽い、スピーディーな活動が可能です。
  •   利益の配分率が高い: 前述の通り、売上に対するアーティストの取り分が大きいため、ファンからの応援が直接的な収益に繋がりやすいです。

【デメリット】

  •   制作・宣伝費用が自己負担: レコーディング費用からCDのプレス代、MV制作費、広告宣伝費まで、全て自分たちで賄う必要があります。資金力がなければ、大規模な活動は困難です。
  •   プロモーション力が弱い: 大手メディアへの露出が難しく、知名度を上げるためには、多大な労力と時間をかけたセルフプロモーションが不可欠です。
  •   雑務が多い: 音楽制作以外に、経理やスケジュール管理、各種手配など、全ての業務を自分たちで行う必要があり、制作活動に集中しにくい場合があります。


メジャーのメリット・デメリット

メジャーのメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】

  •   潤沢な資金力: レコード会社が、レコーディングやMV制作、プロモーションにかかる費用を負担してくれます。最高の環境で、妥協のない作品作りが可能です。
  •   強力なプロモーション力: テレビ、ラジオ、雑誌、Webメディアなどを駆使した全国規模の宣伝活動により、一気にブレイクする可能性があります。
  •   制作に集中できる環境: 音楽制作以外の業務(宣伝、流通、スケジュール管理など)は、専門のスタッフが担当してくれます。アーティストは、純粋に音楽を作ることだけに集中できます。

【デメリット】

  •   音楽的な制約: 「売れる音楽」を作ることが求められるため、レコード会社の意向により、自分のやりたい音楽とは異なる方向性の楽曲制作を求められる場合があります。
  •   活動の不自由さ: リリースのタイミングやライブ活動、メディアでの発言など、様々な面でレコード会社の管理下に置かれ、自由な活動が制限されることがあります。
  •   契約終了のリスク: CDの売上などが契約時の目標に達しない場合、契約を更新してもらえず、活動の場を失ってしまうという厳しい現実があります。


CDが流通する仕組み

では、制作されたCDは、どのような流れを経てリスナーの元へ届くのでしょうか。メジャーレーベルのCDが全国のCDショップに並ぶまでの、一般的な仕組みを見ていきましょう。

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まず、レーベル(レコード会社)の宣伝担当が、リリースされるCDをヒットさせるための戦略を練ります。

テレビCMや音楽番組、ラジオ、雑誌、Webサイトなど、様々なメディアに対してプロモーション活動を行い、発売前からリスナーの期待感を高めていきます。

流通

完成したCDのマスター音源は、プレス工場で、数千、数万枚という単位で物理的なCDとして製造されます。

そして、製造された大量のCDは、「ディストリビューター」と呼ばれる流通専門の会社へと運ばれます。

ディストリビューターは、全国のCDショップからの注文に応じて、各店舗へCDを配送する、いわば「卸売業者」の役割を果たします。

販売

ディストリビューターから配送されたCDが、タワーレコードやHMVといった全国のCDショップの店頭、あるいはAmazonなどのオンラインストアに並べられ、ようやくリスナーが購入できる状態になります。

レーベルの意味を知り業界に関する知識を深めよう

今回は、音楽業界の「レーベル」とは何か、そしてインディーズとメジャーの違いやCDの流通の仕組みについて、詳しく解説しました。

音楽業界の仕組みを理解することは、自分たちの音楽を、誰に、どのように届けていきたいのか、というアーティストとしての活動の核となるビジョンを明確にする上で、非常に重要です。

メジャーデビューという大きな目標を目指すのも素晴らしい道です。一方で、インディーズとして、ファンと近い距離で、自分たちのペースで、自由に音楽を追求していく道も、同じくらい尊く、魅力的な選択肢です。

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